気が付けば、時間が過ぎるのも忘れてDVDに見入っていた。
すると、寝室の扉がスーッと開いて、そこから美青がひょっこりと顔を出したんだ。
「美青……?」
「ごめん」
なぜか謝罪の言葉を口にして、視線をチラッとテレビに移す。
「邪魔しちゃった?」
「いや……。悪い、うるさかった?」
「ううん、全然! ただ、なんか寝付けなくて」
「そっか」
「うん」
「……」
「……」
スピーカーから流れる歓声と、楽器の音だけが響く暗い部屋に、小さな沈黙が流れる。
「もし……ね、」
「ん?」
「もし邪魔じゃなかったら、一緒に観てもいい?」
「おー、全然平気」
「ありがと」
嬉しそうに笑った美青は、一旦寝室に入ると毛布を一枚持って戻って来た。
「風邪ひいたら困るでしょ?」
そのままストンと隣に腰を下ろして、自分と俺の肩の上に毛布をかける。
その瞬間、一気に強くなる美青の香り。
「……っ」
思わず……組んでいた手を、ぎゅっと握った。
そんな俺の様子に気付くはずもない美青は、真剣な顔でテレビに見入りながら、どこか楽しそうに俺に話しかけてきた。
「ねえ、航太ー」
「んー?」
「解説して!」
「は?」
「“宮崎選手の解説付き”で観てみたい」
「何だよそれ」
相変わらず突拍子もないその発言に噴き出してしまう。
「ん~、なんて言うんだろう?」
自分の考えを頭の中で整理するように、考え込むような仕草を見せた美青は――……
「“航太の視線”で観てみたい」
「……」
「航太がピッチに立ってる時、どんなことを考えて、どんな気持ちでいるのか、それを感じたい……のかな?」
そう言って、笑ったんだ。

