「あのさ、」
「ん?」
「やっぱこっちで寝るわ」
「……なんで?」
首を傾げた美青がちょっと悲しそうな瞳で見上げるから、俺は本当のことを話してしまった方がいいのかもしれないと思い直して……。
「正直に話すぞ?」
「う、うん?」
「……」
「……」
「俺、美青に触れたくてしょうがない」
「……え?」
「ガキみたいに、そんなことばっか考えてる」
「……」
「だから、こっちで寝るよ」
自分で“理性を抑えられないかもしれない発言”をするのもどうかと思うけど、こうなったらもう仕方がない。
「……」
「美青?」
「ごめんね?」
「謝られると、かえって傷付くんですけど」
なぜかしょんぼりとして謝る美青が可笑しくて、クスクス笑って答える。
「えっと、そっか。……ごめん」
「だから謝るなって!!」
そう言って、また美青の頭のてっぺんのまん丸をポンポン叩いた。
「航太~?」
「ん~?」
「おだんご、叩き過ぎ」
「おだんご?」
「頭のてっぺんの」
「あ~、“まん丸”?」
「なにそれ」
俺の言葉に楽しそうに笑う美青を見てると、これで良かったんだって、そう思う。
感情に任せて無理に関係を進めて、中途半端になるのだけは嫌なんだ。

