きせき


濡れた身体を両腕で抱え、雨宿りをしながら寒そうに震える美青を、本当は抱きしめて温めてやりたかった。

だけど、今の俺にはそれはできないから……。

思わずその手を取って、連れてきた自分の部屋。

だけど、どうなんだ?

この状況。

「はぁー……」

風呂を沸かすために、バスルームにやって来た俺の口から漏れ出る大きな溜め息。

自分で言うのもなんだけど、自制心はある方だと思う。

でも相手は、こんなにも長い間傍にいてもらいたいと願って、触れたいと思っていた美青。

「……」

頑張れー、俺……。

効きそうにもないエールを自分に送りながら小さく頭を振った俺は、ゆっくりと美青が待つリビングに戻ったんだ。