きせき


しばらくその場で、二人で立ち尽くしていた。

「雨、止まねぇな……」

全く雨の止む気配のない空を見上げ、航太がそう言い終えるのとほぼ同時に、

「くしゅんっっ!!」

私の口から出た、タイミングの悪すぎるくしゃみ。

「……」
「……」

思わず無言で見つめ合った後、気まずくて視線を泳がせた私に、航太がちょっと笑って言ったんだ。

「うち……来る?」

ドクン。

その言葉に、心臓が大きく跳ね上がった。

私の実家はここからだとまだ遠くて、航太の家は、もうすぐそこ。

「……っ」

どうすればいいのか分からなくて、何も言えないまま息を呑む私に、航太は困ったように笑って。

「なんもしねぇし」

そう言うと、

「風邪ひく前に行くぞーっ!!」

私の手をぎゅっと握って――……

まるで子供みたいに楽しそうに、土砂降りの雨の中に駆け出したんだ。