きせき


ねぇ、航太。

そんなこと、聞かなくてもわかるでしょう?

「返事、聞かせて?」

「こ……たぁ」

「ん?」

「私ね……っ」

「うん」

目の前で、柔らかい表情を浮かべながら笑う航太。

「航太がいないと、全然ダメみたい」

「ん……」

「ずっと、」

「……」

「航太の隣がいい」

涙をポロポロ零しながら、やっと伝えられたその言葉に、航太は子供みたいに嬉しそうに笑って……。

「んなこと知ってるしっ!!」

ギューッと、私を強く抱きしめたんだ。

あの頃の私は、こんなにも大切なものを、どうして手放してしまったんだろう。

航太に対するこの想いは――

離れたって消せるものじゃなかったのにね……。