きせき


「韓国は楽でいいなぁ。時差もほとんどないし、なにより近いのが魅力」

ホテルの部屋に着いてカバンを下ろした私は、誰に話しかけるわけでもなく、そう口にした。

「はぁー……」

もう何度目かわからないため息を吐きながら、私は熱くなった自分の頬に両手を当てた。

空港で私に笑いかけた航太の、あの笑顔を思い出すたびに頬が熱くなって……。

「もうダメだぁ……」

なに?

この情けない状態は。

「昔はいつもあんなんだったじゃん。今更なにを……」

自分に言い聞かせるように呟いたその言葉に、効果は全くなくて。

「はぁー……」

結局、また大きなため息を吐く。

でも、仕事中はきちんとしなきゃ!!

頭をブンブンと振った私は、気合を入れ直すためにシャワーを浴びようとバスルームに向かった。