きせき


それは、本当に簡単なことだったんだ。

“俺は美青が好きだ”

誤魔化しナシでそう認めたら、ありえないほどスッキリした。

美青と多田さんの関係は未だによくわからないけど、それがなんだっていうんだ?

付き合ってても別にいいんだ。

そうだったとしても、それとは関係なしに俺は美青が好きなんだから。

その気持ちは変わらない。

多田さんと話をした次の日の朝、食堂で足早に近寄った俺に、驚いて目をまん丸にした美青。

その耳元で、そっと囁いた。

「風邪うつってたら言って。今度は俺が看病してやるよ」

一気に耳まで赤くなった美青は、当たり前だけど、やっぱり美青で。

その可愛さに負けて、つい顔が綻んでしまった。

「前言撤回」

「え?」

「覚悟しといて」

きっと頭の中が、ハテナでいっぱいの彼女。

そんな姿でさえ、俺を温かい気持ちでいっぱいにするんだ。

――やっぱり俺と美青は、こんな関係がいい。

勝手にだけど、そう思った。