きせき


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「おはようございます!」

ざわつく食堂で、すれ違う人たちと笑顔で挨拶を交わす。

窓の外から差し込む太陽の光はすごく強くて、今日は昨日とは打って変わっていい天気。

その光に目を細めて、一瞬瞳を奪われた私の視界に、笑顔で他の選手と話をしている航太の姿が映った。

……昨日より、元気そう。

無意識に安堵の溜め息を洩らした私に、ゆっくりと航太の視線が向けられた。

「……っ」

ただそれだけで、酷く動揺する私の心臓は、本当に正直だ。

速まった鼓動を鎮めようと、細くて長い息を吐き出す私。

その目に、隣に座る先輩に一言声をかけた航太が席から立ち上がるのが見えて、そのまま私に歩み寄る。

……え?

そして私の前でピタリと立ち止まると、顔を覗き込むようにちょっと顔を傾けて。

自分の顔を私の耳元にスッと近づけ、小さな声で囁いた。

「風邪、うつってたら言って」

「え?」

「今度は俺が看病してやるよ」

「……っ」

驚いてバッと顔を上げた私の目の前には、いたずらっ子みたいに笑う航太の顔。

それが、あの頃の……出逢った頃の航太の顔と重なったんだ。