「せっけん」
「は?」
「なんか、せっけんの匂いする……」
ドキドキと音を立てている心臓を誤魔化すように、そんな言葉が口をついて出た。
「あー、さっきシャワー浴びてきたからかな?」
「シャワー……」
「って、美青ちゃん待たせといて、ごめんな」
そう言って、ちょっと申し訳なさそうに謝る宮崎航太。
「これでもダッシュで来たんだけど」
申し訳なさそうに、そんなことを言うから、私は手をブンブン振って、気にしてないことを全力で伝える。
「ううん。全然平気! 天気よかったし、日向ぼっこには、丁度いいよ」
私のその一言に、ホッとしたように“よかった”と笑った宮崎航太は、
「でも、先輩より先にシャワー使ったから、後で怒られっかも」
と、またいたずらっ子のように笑ったんだ。

