きせき


落ち着かない気持ちのまま食事を取って部屋に戻った私は、まるでお腹を空かせた動物園のクマのように、部屋をぐるぐる歩き回っていた。

「ん~……」

一人唸って、考え込む。

だってどうしても、航太のことが気になってしまう。

最近の航太のことなんて全然わからないけど、それでも、航太がサッカーに対するスタンスをそんなに簡単に変えるとは思えないんだ。

「ダメだぁ。やっぱり気になるし……」

余計なお世話かもしれないし、こんなことを航太は望んでないかもしれないけど。

私はゆっくり受話器に手を伸ばし、わずかに震える指で、航太の部屋に繋がるそのボタンを押した。

鳴り始めた呼び出し音に、緊張が増す。

――でも。

「……」

しばらくコールしてみても、一向に電話に出る気配がない。

「あれ?」

“夕飯部屋で取りたいって”

そう言ったお兄さんの言葉が蘇る。

もしかして、もう寝てる?

「……」

なぜだかは、私にもわからなかった。

でも気付いたら、私は自分のルームキーをデスクの上から取ると、そのまま自分の部屋の扉に向かって足を進めていた。

胸騒ぎのような、よくわからないモヤモヤが胸の中にあって……。

どうしても行かないといけないような気がしたんだ。