きせき


「……」

違う。

何かが違う。

“普通の関係”に戻った私たちだけど、航太のあの反応は、そのせいじゃない。

それに、呼吸が少し苦しそうだった。

思わず航太を振り返ったけれど、その背中はいつも通りの彼の背中で……。

まさか……ケガ?

でも、空港ではそんな様子は見られなかったし。

小さな疑問を抱いた私の背後から、お兄さんの声がした。

「美青ちゃん、ちょうど良かった」

「宮崎さん。……どうしたんですか?」

「航太さ、ちょっと疲れてるから、夕飯を部屋で取りたいって」

“悪いけど、佐藤さんにそう伝えてくれる?”

そう言ったお兄さんに、胸の中にある疑問をぶつけようかと思った。

でも、お兄さんは何も気にしている様子はないし……。

私の気のせいだよね?