きせき


「……」

あれれ?

もしや、これは。

「……照れてるの?」

その様子にニヤニヤして、からかいたい心でいっぱいになった私は、彼の顔を覗き込む。

「ちょっ!! 見んなよ!!」
「いいじゃん別に! なに照れてんのー? いいじゃん、いいじゃーん!」

って、私の悪い癖なんだよね。
こういう時、いつも引き際がわからない……。

――だから。

「お前なぁ!!」

突然私に向き直った彼に、驚いて身体がビクンと跳ね上がった。

やばい!! 怒らせた!?

そう思って、肩をすくめた瞬間、

「いったぁーーーーっ!!!」

おでこに走った激痛。

「からかった仕返しだ、ばぁーか」

目の前には、イタズラっ子のように笑う宮崎 航太。

からかい過ぎたせいで、でこに……でこピンをくらうはめになった私は、

「ちょっと!! マジで痛いんだけど!!」

そう言って、パッと顔を上げる。

だけど、思ったよりも近い所に宮崎 航太の顔があって……。

「――っ」

またふわりと、せっけんの香りがした。