きせき


日本に帰った俺を取り巻く環境は言葉通り激変した。

空港に着くや否や、眩しいほどに焚かれるカメラのフラッシュ。

大きな歓声が響き、混乱する空港内。

テレビに引っ張り出され、得意ではない話をさせられる。

――でも、俺は恵まれている。

だから“笑え”と言われれば笑ったし、雑誌の取材にもきちんと答える術を覚えた。

毎日が今までよりも忙しく、慌ただしく過ぎていく。

でもいつの間にか、何か物足りなくて探してる――……。

“ちゃんと諦める”

そう約束したのにな。

それから俺は、前にも増してサッカーに没頭した。

夜遅くまで練習をして、家に帰ったら倒れ込むように眠りにつく毎日。

時々なにか大事な物を忘れているような気がして焦燥感にかられるけど、それでもいいと思った。

きっといつか、これが普通になる。