きせき


気付いたら、あけちゃんの1LDKの部屋のリビングには夕日が差し込んでいて、暖かい色の電気が灯された。

あけちゃんは、何も言わずにずっと隣に座っていてくれた。

私の手を、ぎゅっと握って。

「ごめん。そろそろ帰らなきゃだね」

なんとか笑顔を作った私の顔をじっと見つめた後、あけちゃんは、

「そのまんまじゃ帰れないよ! ちゃんとお化粧直して行きな!!」

「え? ちょっと、なに?」

なぜか私の手にお化粧ポーチを握らせて、無理やり洗面所に押し込んだんだ。