きせき


「――びっ!!」

「“び”?」

「びっくりしたぁ……」

きっと私、今笑えるくらい身体が“ビクッ!”っとしていたと思う。

そんな私の様子を見て、案の定、宮崎航太は大笑い。

“そこまで笑わなくても!!”というくらい大笑い。

「……」

私はというと、ひとしきり笑い終え「あ~、マジで腹いてぇ」なんて言っている彼の顔を、マジマジと眺めていた。

「ん?」
「……いや、何でもない」

うん。

カッコイイんじゃなかろうか。
昨日は暗くてよく見えなかったけど、多分カッコイイ。

もしかしたら、さっきの試合を――彼のプレーを観てしまったから、贔屓目《ひいきめ》になってるのかもだけれど。

それにしても、なんだか調子が狂ってしまう。

「う~ん」

1人で怪しげな唸り声を上げながら考え込んでいると、ふと頭上に影ができ、

「宮崎ーーー!! やっぱりお前のプレー最高だよ!! また次も頼むぞ~!」

上機嫌なその声に、驚きながら顔をあげた。

そこにはまだ残っていた観客数人が立っていて、隣で未だにお腹をさする宮崎航太に突然声をかけてきたのだ。

「宮崎!! 頼りになるな~!」
「今度の試合も楽しみにしてるから、頑張れよっ!!」

そんな賞賛の声を順々に浴びせられた宮崎航太は、1人1人に頭を下げ、爽やかな笑顔で「ありがとうございます」「はい! 頑張ります」なんて答えを返していて……。

「なんか、すごい人だったんだね」

彼を賞賛する観客達が去った後、思わずそう呟いた。

すると、彼は下を向いて、膝の上に開いた両方の手の平に視線を落として、

「いや、別に。普通……」

今度は頭をポリポリ掻きながら、ポツリと答えた。