きせき


正樹から手渡されたその写真は、さっき私が見ていた、航太の写真で。

「何でわかったのかって?」

その問いかけに、ブンブンと首を縦に振った私を見て、人の気も知らずに大笑いをする。

「美青、わかりやすすぎるから。さっき写真見てた時、急に表情変わったからさ。なんの写真かなぁって覗いちゃった」

いたずらっ子のようにそう言う正樹は、本当に楽しそうで……。

――だけど。

「……言わないで」

「え?」

「お願い。誰にも言わないで」

この気持ちは、ここにいる人たちには知られちゃいけない。

正樹が他の人にこんな話をするはずなんてないんだけど、それでもやっぱり、怖い。

だって、ここにいる人たちに、私のこの気持ちが知られてしまったら――……。

思わず俯いた私に視線を落とした正樹は、

「わかってる。誰にも言わないよ」

そう言って、私の頭を撫でて。

「頑張れよ」

小さくそんな言葉を落としてくれた。