きせき


「さて、そろそろ戻るか」

写真を一通り見終わってそれをトントンとまとめていた私に、正樹が声をかけた。

「そうだね。改めて、これからよろしく」

「こちらこそ」

にっこりと笑い合ったあと、

「え? なに?」

私の目をじーっと覗き込んだ正樹は、思いもよらない質問を投げかけてきた。

「美青、彼氏できた?」

「えっ!? な、なんで!?」

急なことに、慌てふためく私を見て、ひとりで楽しそうに笑った正樹は、

「なんか変わったなぁと思って」

ただ一言だけ、そう言ったんだ。

「……変わった?」

「うん。なんか雰囲気が」

「そうかな?」

「うん。……で? 彼氏は?」

「……彼氏は、いない」

だって、隠したって仕方がないし、それが事実だし。

「でも、好きな人はいる」

「そっか」

おずおずと彼を見上げる私の目を見つめたままそう言って、また笑った正樹は、さっきまで見ていた写真をパラパラと眺め始めた。

「……正樹?」

「あ、あった。美青、これ再会の記念にやるよ」

と、差し出されたのは、一枚の写真。

「え?」

裏返しのまま渡されたそれを、何も考えずに受け取った私は、

「な……っ!!」

表に返したそれを見て、驚き過ぎて固まった。

「美青が持ってた方がいいっしょ?」

口を金魚みたいにパクパクして何も言えないでいる私に、ニヤリとしながら、正樹はそう言ったんだ。