きせき


RiRiRiRiRi――……

私の部屋の電話が鳴ったのは、それから40分ほど経ったころだった。

「はい、佐々木です」

「美青ちゃん? 宮崎……翔太の方だけど」

まるで私をからかうように、少し笑ってそう言ったお兄さん。

「これから談話室で“タダ”の写真見ようと思うんだけど、今から出てこれる?」

「あ、はい。行けます」

「よかった。じゃー、談話室で」

ただそれだけを伝えて、プツリと切れた電話の受話器を眺め、

「はぁー……」

つい漏らしてしまう溜め息。

「人違いであることを祈ろう」

だってこれって、私がもがいたってどうしようもないことでしょう?

さっきまではゴチャゴチャと考え込んでいたけど、覚悟を決めた。

座っていたベッドからゆっくり立ち上がり、鏡の前で軽く身なりを整えた私は、誰もいない静かな廊下に足を踏み出したんだ。