次の朝、私はみんなを練習に送り出した後、ホテルに残って今後のスケジュール調整や、色々なことの確認、それに、自分が日本でやるべき仕事をこなしていた。
予想外の忙しさに、昨日の“タダ マサキ”のことなんてすっかり頭の中から抜けていて……。
気付いた時にはみんなを出迎えて、夕食を取る時間になっていた。
出迎えたロビーで、シャワーを浴びてそのまま来たのか、髪が濡れたままの航太を見かけた。
たったそれだけのことなのに――……。
トクントクンと鼓動が速くなって、その姿をもっと見つめていたいと思ってしまう。
同世代の川崎君と笑い合うのを見て、昔私に笑いかけてくれていたあの笑顔と……
別れ際の航太の表情が、頭の中で交錯した。
もう二度と、航太のあの笑顔が私に向けられることはないのかな?

