きせき



“ボー……”

多分、今私の近くを通ると、そんな音がすると思う。

だって、そりゃ呆然とするでしょう!?

……何もかも、頭がついていかない。

昨日の夜、いつも通りバウの散歩に行った私は、謎の男“宮崎航太”にバウを助けられ、何故か泥んこジャージを渡されてお洗濯大臣に就任。

貴重な休日に、無理矢理スタジアムに呼び出されて、ワケが解らないまま、1番いい席とやらでコーチだと思っていた彼の試合を観ていた。

もう試合は終盤なのだと思うけれど、未だに観客の歓声は鳴り止むことを知らなくて、むしろどんどん大きくなっていく。

――特に、宮崎航太にボールが渡った瞬間。

みんなが息を呑むのが分かる。

まるで……何かを期待するかのように。