きせき


それから一時間ほど話をして、協会側の大体の要望をまとめた私は、一度会社にそれを持ち帰り、改めて連絡を入れる旨を会長に伝えた。

「あぁ。それじゃー、頼むよ!」

そう言って、笑顔で立ち上がった会長は、

「あぁ、そうだ! これからいろんな連絡事項は、とりあえず宮崎君に伝えてもらえるかな? 彼も一緒に向こうに行くメンバーだから」

一つ爆弾を落として去って行った。

“それじゃー、よろしく”と、手を上げて会議室を後にした会長と、残された私と宮崎さん。

「……」
「……」

気まずい沈黙がしばらく続いて。

「少しだけ、私情を」

「……はい」

それを先に破ったのは、宮崎さんだった。

「この前は、悪かったよ」

「いえ」

「美青ちゃんの気持ちも考えずに、当事者である俺が、よくあんなことを言えたなって……帰ってから猛反省したんだ」

「……」

「でもね、美青ちゃん。この前の言い訳を一つだけ」

「“言い訳”ですか?」

「うん」

「……」

宮崎さんの表情はこの前よりも穏やかで。

だけどやっぱり、どこかつらそうで悲しそう。

「俺は今後、美青ちゃんを傷つけるようなことは絶対にしない」

「……」

「今更、卑怯だと思う。でも、あの時の罪滅ぼしじゃないけど、」

そこで一旦言葉を止めた宮崎さんに、ゆっくりと視線を上げた。

「航太に対して、君が一番望んでいるようにしたいんだ。逃げているとか、責任逃れをしたいんじゃなく、本心からそうしたいと思ってる」

彼は、私の目を真っ直ぐ見据えたまま、

「これからは、何があっても美青ちゃんの味方でいたい」

ただ強く、そう言い切った。