きせき


宮崎さんだって、辛かったんだ。

上からの命令であんな事をせざるを得なくて……。

それは解ってる。
解ってるけど……。

震えそうになる声は抑えられても――……

溢れ出した感情を、もう抑えることができなかった。

「それを……私に聞くんですか?」

自分でも信じられないくらい、冷たいその声。

「今更、私の意見を?」

小さく揺れる、宮崎さんの瞳を見据えた。

「ごめん」

ドクン。

長い沈黙のあと、宮崎さんの口から発せられたその言葉に、心臓が大きく脈打った。

――“ごめん”って、なによ。

「ずっと……後悔していた」

後悔……?

怒りなのか、悲しみなのか。

よく解らない感情が私の中に一気に溢れ出て、握りしめる手がガタガタと震える。

「あの時、もっと違うやり方があったんじゃないかって」

この人は……

なにを言っているんだろう。

「何であの時、航太と美青ちゃんを別れさせたり――……」

「やめて下さい……っ!!」

気付いた時には、周りの目も気にせずに大きな声を上げていた。