会議にかかった時間は、高々二時間程度。
集中しないとと思うのに、前方の席に座るお兄さんの背中がチラチラと視界に入ってしまって……。
会議が終わり、退室して行く人たちを眺めながら、ほんの少し息を吐き出した。
「美青ちゃん」
「……はい」
きっと、話しかけられると思ってたんだ。
だからその声に、たいして驚くことはなかった。
「少し、時間あるかな?」
ゆっくりと見上げた視線の先には、“宮崎さん”。
「4時までに会社に戻らなければいけないので、あと30分くらいであれば……」
目を合わせたまま話すことができずに、スッと視線を逸らして、自分の腕時計に目をやりながら曖昧な返事をした。
「わかった。……少し場所を変えようか」
「はい」
探り合いながら会話をする私たちの様子が、もうあの頃と変わってしまった関係を露呈しているようで……。
少しだけ胸が痛んだ。

