“ゴール決めた瞬間とか、どっか一点見てボーっとしてるっていうか”
「はぁー……、くそっ……!!」
後藤さんと話している間、いつの間にか強く握りしめていた手が少し冷たくなっていた。
そうなんだ。
つい無意識に、
俺は、あの頃と同じように――……
スタンドを見回して、あいつの笑顔を探してるんだ。
あんなにも嫌な別れ方をしたのに、自分で自分が嫌になる。
憎んでるのに、いや……“憎んでるから”か?
いつまでもあいつを、忘れられずにいるんだ。
もう会うこともない、あいつ。
「……くだらね」
溜め息と共に小さく吐き出した言葉は、暗く続く廊下に、吸い込まれるように消えていった。

