「宮崎は子供より先に女だろ!!」
「だよな。お前ホントに彼女いないわけ?」
「……」
また来たか。
いつもこの話題になると、周りにいたチームメイトが、それを嗅ぎつけてやってくる。
「別にマスコミに流したりしないから、ホントのこと言ってみ?」
ニヤニヤしながら、ここぞとばかりに俺をいじろうと集まってくる……野次馬集団。
「いや、マジでいないっすよ。てゆーか、女に興味無いんで」
思わず漏れてしまった本音。
自分で口にした言葉なのに、あの時の情景が頭をよぎる。
あの夜、目の前で知らない女のような顔をして笑った美青。
いつもそうだ。
いつもあの顔を思い出すと、胸がグッと苦しくなる。
「なに、お前……まさかそっち系!? 俺は無理だからな!!」
いつもこうやって俺をからかってくる三浦さんは、自分を両腕で抱きしめたポーズのまま後ずさる。
それにハッとして、胸の痛みが消えていく。
「なに言ってんすか、三浦さん……。万が一そっち系でも、三浦さんみたいなムサイ男は俺が無理です」
思い切り冷めた目をして、大げさに溜め息を吐き出した俺の横から、後藤さんの視線を感じる。
それは、何かを見透かされそうな視線で……。
「俺、女とかいらないんで」
――思い出すな。
自分に言い聞かせながら、動揺を悟られないように、笑顔でそう話す。
「なんだよ~! 女はいいぞ~!! もうなんか、柔らかいんだよ~!!」
「今度、合コンセッティングしてやっから!!」
「とか言いながら、航太をエサにいい女を集めるつもりだろ!!」
「おい!! 言うなよ!!」
そんなことを楽しそうに叫びながら、チームメイトたちはロッカールームから出て行った。

