「な……んで? あの人、コーチとかじゃないの?」
そんな私の驚きをよそに、ピッチの上には、真剣な顔でボールを追いかける宮崎航太の姿があって……。
――でも、昨日は暗かったし、見間違いかも。
そう思った私だったけど、その考えは間違いだと、すぐに思い知らされた。
「――……っ!!」
“ワァーーーー!!!!”
“宮崎航太っぽい男”にボールが渡った瞬間、スタジアム内の空気が揺れた。
サッカーにそこまで詳しくない私でも分かるくらい、空気が揺れて、歓声がますます大きくなる。
その空間全体の空気が、一瞬で変わって、
『――宮崎っ!! 宮崎っ!!』
耳が痛くなる程に大きくなった歓声が、一斉に彼の名前を叫び出す。

