きせき


その日も、いつも通りゴハンを食べ終わった航太は、革張りのソファーに寝転んで、サッカーの雑誌を読んでいた。

大きな窓に打ちつけられる雨に、思わず目を奪われて……。

航太に声をかけるタイミングを失ってしまう。

あれから、何度もあけちゃんから電話がかかってきて、考え直すように説得された。

“こんなの間違えてる。航太君は、そんなこと望んでないでしょ!?”

“二人で、ちゃんと話しなよ……”

泣きながら、何度も何度もそう繰り返すあけちゃんに、私は何も言えなかった。

ただ一言、

「航太には、私がアメリカに行っても本当のことは何も言わないで」

それだけを除いては。

私は――……

決めたんだ。

「航太、話があるの」