きせき


真っ暗な寝室に、小さく響く二人の呼吸音。

ザーザーと降りしきる雨の音に消されることなく響くその音に、こんなにもホッとするのはどうしてだろう。

「――んっ」

「……美青、体……平気か?」

「う……ん、……あぁっ」

航太は、傷付いた私の体を、いたわるように、優しく抱きしめる。

「航太……っ」

「……んっ」

耐えるような航太の声が好き。
大きな手も、温かい体も、荒い息遣いも。

航太に触れられた私の体は、まるでそこが燃えるように熱くなって、恥ずかしい程の甘い声が漏れ出てしまう。

私の上に覆いかぶさる航太の体はとても温かくて、冷えた体を、その奥底から温めてくれる。

航太が私の体を揺らすたび、胸が締めつけられて視界が滲む。

「……はぁっ」

だけど、航太の熱を全身で感じながらも、私の頭に過《よ》ぎるのは同じことばかり。

――“あと何回、こうしてこの腕に抱きしめてもらえるんだろう”