きせき


「なんか雨降りそうだね~。すっごい雲」
「ホントだぁ。カッパ持って来て正解だったね!!」

その日は、あの女の子たちに会った日以来の、航太の試合だった。

“うちら以外にだって、知ってる人いっぱいいるんだから”

あの時の言葉が、気にならないと言えばウソになる。

入口でも、席に座っても……。

つい周りを見渡して、彼女たちの姿がないかを確認してしまうんだ。

「……美青、大丈夫?」

そんな様子に気付いているあけちゃんは、私を気遣うように、顔を覗き込む。

「あいつら、今日は来てないといいね。まぁ、来てても無視しよう」
「……ん。そうだね」

今にも雨が降り出しそうな空の下。

一抹の不安を残したまま――……

キックオフのホイッスルが、スタジアムに響き渡った。