「すいませ~ん!! ちょっと躓いて、手が滑っちゃったみたいでぇ~……」
「“すいませ~ん”って、これどうすんのよ!! びしょ濡れじゃん!!」
「どうしよ~! ホントごめんなさぁい!!」
怒り狂うあけちゃんに、必死に謝っている女の子。
だけど、そこに感じる、小さな違和感。
胸の奥が、チリチリと痛む。
「……」
――この感覚、どこかで……。
女の子を見上げると、小首をかしげながら顔の前で両手を合わせ、
「ホントにごめんなさぁい!!」
と、また謝った――フリをした。
そうだ、この感覚。
正樹の時に感じたものと、同じ感覚。
「……」
この人は、
航太のファンの子だ。
案の定、謝る彼女の後ろをチラリと見ると、何人かの女の子達がこっちを見ながら笑っている。
――“女の恨みは怖い”。

