「あー、やっぱりそうか」
「え?」
「お父さんも、もしかしたらそうじゃないかなぁとは思っていたんだけど……。まさかそんな有名人が、美青と付き合ってるとは思わなくてねー」
「うっそ!! マジで!? おねぇー、航太クンと付き合ってるの!? ウソでしょ!?」
何かもー、この子は本当にうるさい。
うるさすぎて話にならない美月は、もう無視することにして。
「お父さん……航太のこと、知ってるの?」
私は、そんな疑問を口にした。
「もちろん知ってるよ! 一度だけだけど、試合を見たこともある」
「……え? 本当ですか?」
驚いた様子の航太に視線を移し、
「あぁ。……と言っても、君がまだ中学生の頃だけどなぁ」
「……」
「あの頃から君は――こういっちゃ失礼だが、周りの選手とは全くレベルが違ったからね。とてもよく憶えているよ」
そう言って、にっこり笑った。
私はそんな事実は知らなくて、ましてや、お父さんが航太の試合を観たことがあるなんて思いもしなくて。
航太とお父さんの知らなかった共通点に、なぜか私が嬉しくなる。
「ありがとうございます。実は今日お伺いしたのも、そのサッカーに関してのお話なのですが……」
だけど、小さく間を取った航太の表情は引き締まったまま。
そのまま真っ直ぐお父さんを見据えると、昨日私に話した内容をゆっくりと話し始めた。

