「いや、まさか美青が彼氏を連れてくるとはなぁ。私はずっと息子が欲しかったから、本当に嬉しいんだよ」
「ちょっと! 息子とか……余計なこと言わないでよ!」
「おー、悪い悪い! そうだよな。父さんが口を出すところじゃないな」
やっぱりどこかずれていて、のほほんとしながらも、軽い爆弾を落とすお父さんに力が抜ける。
「ごめんね、航太。やかましい家族で……」
私は自分の家族が大好きで、本当に仲がいいんだけど。
こういう時は、ちょっと申し訳ない気持ちになる。
「いや、全然! おかげで緊張がかなり吹っ飛んだ」
言葉通り、本当に緊張がほぐれたのか、いつも通りの笑顔を私に向けた航太は、お父さんの目をしっかり見据えて頭を下げた。
「本当はもっと早くお伺いするべきだったのに、すみません」
「いやいや、いいんだよ宮崎君。こうして“きちんと挨拶をしたい”……そう思ってくれているだけで、君の誠意は十分伝わっているよ」
柔らかい声でそう言うお父さんは、何だかんだ言っても、やっぱり“お父さん”で。
隣を見ると、航太は少しホッとした様子だった。

