ちゃぽーーーん――……。
「はぁ……」
広々とした浴室内に、溜め息が響く。
ぶくぶくぶくぶく……。
あれから航太は、そっと唇を離し、
「お風呂、入っといで」
私の頭を撫でて、そう言った。
どうしよう、どうしよう……。
顔の半分をお湯に沈めながら、頭の中はもうすっかりパニックだ。
「美青?」
「――っ!! は、はいっ!?」
モヤモヤと色んなことを考えていた私は、突然脱衣所から聞こえた航太の声に、無駄に反応して飛び上がる。
「タオルと着替え……俺ので悪いけど、置いとくから」
「あ……りがと」
「おー」
「あっ!! てゆーかね、」
「ん?」
「私、家にまだ連絡してない……」
22歳にもなって、どこかに泊まることを家に連絡しないといけないっていうのもどうかと思うけど、そういう家で育ったんだから仕方がない。
別に“あきらめ悪く”じゃないけど、モゴモゴとそう口にした私に、航太は驚くべき言葉を口にしたんだ。
「あ~、それは大丈夫」
「えっ?」
「あけちゃんにお願いしてある」
「はっ!?」
私の驚愕する声が聞こえなかったのか、はたまた聞こえないフリをしたのか……。
そのまま遠ざかって行った、航太の足音。
「……」
これは、もしや。

