きせき



“東ゲート A-1”

大きくそう書かれた看板の下には、入口のお姉さんが言っていた人なのか、何やら高級そうなスーツに身を包んだ男の人がひとり立っていた。

あれが、係員?

何となく、もっと“スタッフです!”という感じの装いの人を想像していた私は、一瞬戸惑って、その場に立ち止まる。

そんな私の気配に気付いた“スーツの男”は、その堅苦しい装いとは真逆の、優しい声で話しかけてきたんだ。

「佐々木様ですか?」

「えっ……あ、はい! 佐々木美青です」

「お待ちしておりました。それでは、お席までご案内させて頂きます」

ちょっとその雰囲気に圧倒されて、思わずどもってしまった私をよそに、その人は笑顔を崩さずに一礼すると、ゆっくりと歩き出した。