きせき


食事が終わって、少し経った頃。

“これくらいは”と言って、航太がいれてくれたコーヒーを飲んでいた。

目の前には壁一面の大きな窓。

航太は相変わらずいつも通りで、その奥に見える夜景をボンヤリと見つめていたら、さっきまでの態度が無性に申し訳なく思えてしまう。

ちょっと大人げなかったよね……。

自分の子供じみた行動を反省した私は、今日の試合の話をしようと、ゆっくり口を開いたんだ。

「試合、すごかったね」

横に座る彼を見上げながら、ポツリとそう呟けば、

「お、機嫌直った」

なんて笑われちゃうし。

「もういいのー」
「そっか」

いつものように“くくくっ”と笑いをかみ殺す航太の腕を、バシッと叩いて。

「それより私、ハットトリックなんて初めて見たよー」

「俺も中学の時の試合以来だし」

そう言った航太の手が、ゆっくりと私の方に伸びるから、また少しだけ胸がトクンとなった。

その手は真っ直ぐ私の髪に伸び……、

「俺の気合、伝わった?」

航太はそこを、ゆっくりと撫でながら微笑んだ。

ドクン。

「美青? ちゃんと、伝わった?」
「うん」

そのまま抱き寄せられて、航太の胸に顔をうずめる。

ドクン。

ドクン。

この速い鼓動は、私?

それとも……航太?