きせき


17階に着くと“こっち”と、廊下の一番端の部屋の前まで歩いて行って、そのドアの鍵穴に、ポケットから取り出したカギを差し込んだ。

「どーぞ。何もありませんけど」
「お邪魔……します」
「はい」

緊張して、喉がすっかりカラカラになった私の目の前には、落ち着いた色のフローリングがはられた長い廊下。

左右に2つの扉があるその場所を進み、その先の扉を開けて……心底驚いた。

「な、何ここっ!?」
「は?」

ここは……ショールームか何かかいっ!?

目の前には一面ガラス張りの窓だか壁があって、その奥に広がる夜景!!

「すっごーーーーい!!!!」

さっきまでの緊張なんて、宇宙の彼方に吹き飛んで、私は窓辺に駆け寄る。

「すっごいね!! ちょっと航太、すっごいよここ!!」

大興奮する私をよそに、

「そうかー。そいつは良かったなー」

航太は買ってきた物を、大きな冷蔵庫にしまっている。

だって、本当になんなのこれ!!

きっとキラキラしているであろう瞳で、部屋をキョロキョロ見渡せば……

「ちょっと航太!!」

信じられない光景が、またひとつ。

大きな声を上げた私に振り返った彼がいるキッチンに駆け寄る。

「なんだよ!」

自分から呼びかけたくせに、驚いた顔をした航太をとりあえず放置。

そのまま、そのキッチンの素晴らしさに感動する私。

さっきから止まらない、“すごい!!”を連発したまま、再びキョロキョロと周りを見回した。

だってそこには、黒と白で統一されたカウンターキッチンがあって、3つ口のコンロ!!