きせき


駅ビルに到着したあけちゃんは、案の定、何かを探す様子もなく。

……ますます怪しさが増す。

「あ! そうだった!! 私、下着欲しかったんだ!」

付き合わせているあけちゃんにも申し訳ないし、いったん家に帰ろうかと思い始めた頃、彼女が指を差したのは、ランジェリーショップだった。

可愛いのいっぱいあるなぁー。
私も買おうかな。

妙に明るいライトの中にある色とりどりの下着を見ていたら、あけちゃんが隣にやってきて、

「美青ってスタイルいいよね~」

唐突に、そんなわけのわからない言葉を口にする。

「は!? 全然良くないし!!」
「だって胸は大きいし、ウエスト細いし。ボンキュッボン……って古い?」
「あ~、それは古いねぇ~」

あけちゃんの言い回しって、やっぱり時々オッサンが入っているというか……。

「ね、ね、ね! 美青って何カップ~?」
「は~? なに急に」
「いや、将来豊胸する時の参考に……」
「バカなこと言ってないで」
「いいじゃん、いいじゃん! 何カップなの?」

今日のあけちゃんは、本当に意味がわからない。

「Eの……65?」
「E!? Eって何よ!! どんだけシリコン入れなきゃいけないのよ!!」

くだらないことを言いながら頭を抱えたあけちゃんは、“まぁいいや!”と、一人で勝手に気を取り直した様子で……。

「私下着探すから、美青もその辺プラプラしてて~」

やっと本来の目的を思い出したのか、私に向かって手をヒラヒラと振ったあと、下着を物色し始めたのだった。

全く、なんなんだか……。