「試合あるの?」
「こないだの遠征が選手選考も兼ねたやつで、まだ選ばれるか分かんなかったから、渡せなかった」
航太が取り出したのは、試合のチケット。
「また日本代表?」
「おー」
「す……っ」
「“す”?」
「すっごいね! 嬉しい!! あっ、もちろん試合もだけど、航太の頑張りが認められたってことだもんね!? 嬉しいなぁー!」
そう言った瞬間、腕が温かい航太の手に掴まれて、
「……っ!!」
気付いた時には、航太に抱き寄せられていた。
トクントクンと、耳に届く心臓の音が心地いい。
「航太ー……心臓、速いよ?」
「うるせーな!」
クスッと笑った私に、航太は不貞腐れたような声を上げて。
抱き合ったまま、二人でクスクス笑ったんだ。

