「はぁ……っ、苦しい!!」
ひとしきり笑い終えた私は、目に溜まった涙を拭いながら大きく深呼吸をする。
そんな私の様子を眺めながら、ムスッとした航太が……思わぬことを口にしたんだ。
「俺、美青が思ってるほどしっかりしてねーし、年下だってこと……それなりに気にしてるんだけど?」
「……え?」
「どんなに頑張っても、俺はずっと美青より5歳も年下だし、サッカーばっかりやってるから、美青のことどこにも連れて行ったりできねーし」
「……」
「いつか、美青が俺に愛想を尽かすんじゃないかって……思ったりするんだよっ!!」
そう言って、照れ隠しに思いっきりでこピンをくらわせてきた。
「いったぁーい!! 何すんのよ!!」
航太は、意外に困った人。
「てゆーかね!! 私――……」
だけど、その気持ちに気付けなかった私の方が、もっともっと、“困った人”だ。
「航太しかいないもん」
「……」
「航太しか……見てないもん!!」
「……」
「航太にしか、興味ないよ?」
「……ん」
腕を掴んで見上げる私に、困ったような笑顔を向けて、
「はぁー。情けねー……俺」
大きな溜め息を吐きながら、頭を抱えた航太。
「ごめん。……で、そのお詫びと言ってはなんですが」
そう言って、何かをカバンから取り出した。

