きせき


「え?」

私のその剣幕に、今までの仲野君を睨みつけるような表情が、一瞬緩んだ。

「学祭で、喫茶店やるって言ったでしょ?」
「……」
「今日、シンちゃんと仲野君とあけちゃんと、みんなで買い出しに来てただけだよ?」
「……あけちゃんと彼氏は?」

航太がその言葉を口にした瞬間――……

「おぉ!! マジだ!! マジ宮崎だ!!!!」
「ちょっと、シンちゃん!! 空気読みなよ!!」

バタバタと走り寄る2つの足音。

「うお~!! 宮崎ーー!! 俺、お前のファンなんだよ!!」
「え?」
「握手、握手!!」

力強く手を差し出したのは……シンちゃん。

「はぁ……」

明らかに状況がつかめないまま、呆気に取られて、思わずその手を握る……航太。

「ご、ごめん美青っ!!」

どこからダッシュしてきたのか、息を切らせて“もー、シンちゃん!!”なんて言って、シンちゃんの肩をバシッと叩く……あけちゃん。

――と、それを呆れ半分で眺める私。

シンちゃん。
頼むよ、シンちゃん……。