その時――……
「美青?」
後ろから、航太の声が聞こえた気がした。
「……え?」
驚いて振り返ると、そこにはやっぱり高校の制服を着た航太が立っていて。
「航太!」
「……こんなとこで何してんの?」
――航太?
やっぱりまだ様子のおかしい航太は、私ではなく、隣に立つ仲野君をじっと見つめたまま。
それから一向に口を開こうとしない。
「航……太?」
「美青ちゃん? この高校生、知り合い?」
「あ、えっと、」
サッカーに興味がないのか、仲野君は航太のことを知らない感じだ。
「……“高校生”ね」
仲野君のその言葉を聞いた航太は、自嘲気味に小さく笑い、そのままくるりと後ろを向いて、来た道を引き返して行く。

