きせき

――……
―――……

「雨……」

玄関を出ると、外は雨が降っていた。

昨日、彼の試合を観てしまったからだろう。

それを観てしまった次の日は、いつもこう。

何年経っても褪せることのない記憶が私の胸をしめつけて、あの頃のことを、何度も何度も、くり返し思い出させる。

――もう、忘れたはずなのに……。

「ふー……」

思わず洩れた溜め息を打ち消すように鞄を掴み、

「仕事いこっ!」

できるだけ元気よくそう口にして、家を出た。