きせき


「ごめん」
「謝ることじゃないでしょ? すごい、いい試合だったもん!!」
「……」
「サッカー観てて、こんなに必死に応援したの……勝って欲しいって思ったの、初めてだった! それくらい、いい試合だったと思う」

そう言って、私は笑った。

だってね、本当にいい試合だと思ったんだ。

あけちゃんも、試合が終わった瞬間“悔しーーー!! でもいい試合だったーーー!!!!”なんて叫んでたし。

「宮崎航太のプレーに、鳥肌立った! サッカー全然わかんない私が言っても説得力ないけど、ホントに凄かったと思う!!」

同情とかじゃなくて、心の底から、そう思ったんだ。

私の言葉を聞いた宮崎航太は、少しだけ笑って、ボールを一つ蹴り出して……。

最後にシュートを放った場所まで、ゆっくりと歩いて行く。

その様子を戸惑いながら見つめている私の目の前で――……

“ドーーーン!!”という大きな音と共に、ボールが蹴り出され、

「――……っ!!」

ゴールネットを揺らした。

「練習で入っても、試合で決められなかったら意味ねーんだよ」
「……」
「あのシュート打つ瞬間、絶対に勝ちたいって思った」

――目の前の彼は、自嘲的に笑いながら、

「何してんだろ……俺」

ポツリと、そんな言葉を落とした。