きせき


――ドクン。

「――美青サン?」

その姿に目を奪われていた私の心臓が、大きな音を立てる。

驚いたように目を見開き、その腕で汗を拭う宮崎航太と目が合ってしまって……。

「あの……っ! 外で待ってたんだけど、お兄さんに会って……」
「兄貴に?」
「うん。それで宮崎航太を待ってるって言ったら……これ、貸してくれたの」

そう言って、胸元のパスをそっと持ち上げた。

「……」
「ごめん。邪魔だったよね?」

私の言葉に、何も言わず俯いた宮崎航太を見たら、やっぱり来るべきじゃなかったんだと思った。

「やっぱり、帰るね!」

そう言って、来た方向に再び向き直る。