きせき

「美青ーー! すっごい! すっごいねーっ!!」
「う、うん!!」
「頑張れぇ~~~!!!!」

興奮しまくりのあけちゃんの横で、私は自分の手を胸の前で強く握りしめる。

――後半43分。
日本は格上だと言われるチームを相手に0-0と、善戦を繰り広げていた。

「頑張れ……」

視線の先では、宮崎航太が苦しそうに顔を歪めながらも、必死にボールを追っていて……。

「頑張って……!!」

組んだ手に、もう一度ギュッと力を込めた時だった。

相手のディフェンスの隙をつき、フリーになった宮崎航太にパスが通る。

いけ……っ!!

息を呑む観客たちの目の前で、
彼は90分近く走り続けているとは思えないほどのスピードで、駆け上がって行く。

そして、ゴール前までボールを運ぶと……

その左足をゴールに向かって力強く振り抜いた。