きせき


「すっごいね!! 歓声!!」

大きな歓声にかき消されないように、あけちゃんが私の耳元で声を上げる。

「すっごーーーーい!!」

その空気に興奮するあけちゃんを横目に、私の視線は、気が付いた時には日本代表のユニフォームを身に付けた彼――宮崎航太を追っていた。

二人で会った時とは違うその表情に、胸がギューッとしめつけられる。

「あっ!! あの10番の人、宮崎でしょ!?」

興奮にピッチを指差して彼の名前を口にしたあけちゃんに、また少し、心臓が跳ね上がった。

「知ってるの?」
「知ってるよ! シンちゃんの家にあるサッカー雑誌に、いっつも載ってるもん!」
「へぇ……。そうなんだ」
「しかもあのイケメンっぷりでしょ? すごい人気あるってシンちゃん言ってた~」

美月も言ってたけど、やっぱり人気があるんだ……。

――そんなことを思って、ピッチ上の彼を見つめていたら、

宮崎航太が……
何かを探すように、観客席を見渡した。

「――……っ!!」

ドクン。

その彼の視線と私の視線がぶつかって、
ゴクリと息を呑む。

すると彼は、その目を細めながら小さく笑い……

空を見上げて、

大きく深呼吸をした。