きせき


「わぁー……っ!!」

スタジアム内に入ると、あけちゃんは先週の私と同様の反応をして、キラキラした瞳でピッチを見つめた。

「すごいね~!! サッカー場って、こんなにキレイなんだね!!」
「ホントだよね。すごくキレイ」
「こんな中でプレーする人たちって、どんな気持ちなんだろうね!」
「……うん」

本当に、どんな気持ちなんだろう?

今度、聞いてみたいな。

「美青……? なんか、元気ない?」

ついボーっとしてしまった私を、あけちゃんが心配そうに覗き込む。

「えっ? そんなことないよ!」
「そっか。ならいいんだけど、なんか上の空って感じ」
「そう……かな?」
「ん~、最近ボーっとしてること多いしさ。何かあったのかなぁって」

「ごめんね、心配かけちゃって……。でも大丈夫!」
「そう? なら、いいけど」

まだ少し心配そうに私を見つめるあけちゃんを促し、チケットに書いてある席に着こうとした瞬間……

“わぁーーーー!!!!”

大きなスタジアムの空気が揺れるのと同時に、ユニフォームに身を包んだ選手たちがピッチの上に現れた。

本当に、あの時どうして気が付かなかったんだろう。

この青のユニフォームは、よくテレビで見かけているものと同じなのに……。