きせき


「それは……困りましたね」
「ええ、困ってるんです」
「……」
「……」

沈黙の意味がわからず、首を傾げ、ちょっと考え込んでいた私。

「えっ!?」

視線を感じて顔を上げると、彼がこちらをチラッと見たのが、視界の端に映った。

次の瞬間、瞳に映ったのは、ジャージを脱ぐ彼の姿。

「ちょっ!! 何してんのあんた!!」

驚いてパニックになりながらも、しっかり目を逸らした自分に感心!!

おいっ、何だ!!
良いヤツかと思ったら、変態だったのかっ!?

バウを助けたのも、露出するためのワンステップ!?

そこまで!?
そこまでして露出したいの!?

こんな所で、猥褻物陳列しちゃうわけ!?

――だけど。

パニックになる私の目の前に“ほいっ”と突き出された何か。

「ん?」

顔を上げると……

「ハーパンはいてんじゃん!!」
「は?」
「ハーパン!!」
「あ~、あ? うん。はいてるよ。はいてなかったら脱がないから」

で、ですよね……。

思わず脱力した私を尻目に、彼は再び何かを“ほいっ”と差し出してくる。

「何……? これ」
「ん? ジャージ。泥んこジャージ」

いや、それはわかるんだけど。