きせき


――日曜日。

空は先週と同じように晴れ渡り、私は思わず太陽を見上げて目を細めた。

「空……高いなぁ」

ひとこと呟いて、あけちゃんと待ち合わせをしているスタジアムに向かう。

「……」

“こないだの続きさせて”

「んー……」

ダメだ。
また心臓がバクバクいい出した。

今日私は、彼にどんな顔して会えばいいんだろう?――って言うか、何も言ってなかったけど、試合の後に会う時間なんてあるのかな?

先週みたいに待ってるべき?
でもそれって、“キス待ち”みたいで恥ずかしくない!?

そもそも、ホントに、キスなんてするのかな……?

“勝てば”だけど。

「んんー……」

もう、頭の中はゴチャゴチャだ。

でも、試合には負けて欲しくないしなぁ。

正直、複雑な気持ち。

何度も何度も溜息をつきながらスタジアムの入り口に到着し、あけちゃんの姿を探す。

この前とは違い、試合開始前の入口は沢山の人でごった返していて、キョロキョロ周りを見回したが、まだあけちゃんの姿は見当たらない。

電話してみようかと1度スマホを取り出したけれど、電車の中かもしれないからと、それをカバンに戻して大人しく待つことにした。

「はぁー……」

入口横の柱に身体を預け、妖精さんに気遣うこともできずに、盛大な溜め息をついた時、

「美青ちゃん」

後ろからポンっと肩を叩かれて、振り返ると、そこには先週同様スーツに身を包んだお兄さんが微笑みながら立っていた。