「…音…海音様ッ!!」
「わっ!!…どうしたの?」
ぼーっとしていた様子の海音はクレハの何度目かの呼び声でやっと我に返る。
「何回も呼んだんですよ?」
少し怒ったような素振りのクレハに海音は申し訳なさそうに眉を下げるとごめん、と小さく呟く。
「私はいいですけど…それより最近どうされたんですか?」
クレハが心配するのもそのはず。
海音はここ数日ずっとこの調子なのだ。
「あのね…なんか私可笑しいの」
予想外の返答に思わずクレハも困ったような顔をするが直ぐに何がです?と促す。
「ハルウといると胸が凄くドキドキして…なにか病気なのかしら…?」
そう言って本当に心配そうな表情になる海音に思わずクレハはクスリと笑みを溢す。